生後1ヵ月で貰ってきた、野良猫ママから生まれたうちの子猫。
うちに来た当初、顔周りやら毛並みが良くなかったのですが、猫を飼うのが初めてだった私は”まぁ元野良の子猫だし、今はこんなものかな?そんなことより、可愛い”なんて思っていました。
…が、まさかその原因が「猫疥癬」だったとは…。完治までの闘病の記録です。
もくじ
猫疥癬(ねこかいせん)とは
まずは簡単に、猫疥癬とはこんな病気です。
ヒゼンダニによる皮膚の感染症
ネコちゃんの疥癬は、主にヒゼンダニ類のネコショウセンコウヒゼンダニというダニが寄生することで起こります。
皮膚炎をおこして硬くなり、ふけや発疹が見られ、激しいかゆみを伴います。爪で病変部を掻きむしるため出血したり化膿してしまうことがあります。
主に野良ネコ、外にでる猫がかかる病気だそう。うちの猫は野良猫の子猫だったので、条件はばっちり当てはまっていたわけです。
特にかかりやすい品種などはありませんが、子猫や室外飼育の猫に多く見られます。性差はないとされています。
猫疥癬の症状(うちの子猫の場合)
とりあえず、ハゲます。
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うちの猫は、人間でいう10円ハゲの様なハゲが頭頂部にでき、そこで私は異変に気付きました。
疥癬は相当痒いそうで、最初はとにかくバリバリ掻いたり頭を振る仕草がよく見られ、フケや皮膚にカサブタみたいなのができます。そしてその辺をちょっと引っ掻くと毛が束でゴソッと抜けたりします。
今思えば、うちの猫もハゲる前から頻繁に頭をブルブルッと振ったり掻いたりしていたのですが、やはり猫を飼うのが初な私は気が付けず、単なる猫の仕草だと思っていました。。元気いっぱいでご飯もモリモリ食べていたのですが、今思えばちっちゃいのにすごく痒いのを一人(匹)で対処してたんだな…と申し訳ない気持ちです。
症状としてはそんな感じで、後は耳のフチの皮膚はガビガビになったり、頭の他にしっぽや脚も所々抜けてハゲハゲになったりもしていました。毛並みボロボロの可哀そうな姿です。
猫疥癬の治療
猫疥癬に猫がかかった場合、自然治癒はしないため治療が必須です。治療方法は以下の通り。
疥癬症の治療では、セラメクチン、イベルメクチンなどの抗疥癬虫薬を投与します。(中略)その治療に反応しない、治りきらない、寄生が軽度でないなどの場合は、他の薬剤が使用されます。
他の治療方法として、アミトラズという薬剤を含んだシャンプーでの薬浴を併用する例もあります。
要は注射か滴下薬(スポットオン製剤)での治療が基本。まずお医者さんで疥癬かどうかの検査を受ける→治療薬の投与開始(日を空けて複数回必要)の流れとなります。
また動物病院での治療の他に、ネコショウセンコウヒゼンダニ退治に効果のある滴下薬を個人でも入手することもでき、「レボリューション(※EU圏販売名は「ストロングホールド」)」「ブロードライン」などが有名です。
子猫の実際の疥癬治療記録
発覚から完治までのタイムライン
ここからは、ダーッと時系列ダイジェストで闘病の記録をお送りします。
※しかしうちの猫はその3週後思いっきり風邪をひき、再び通院を余儀なくされたのはまた別のお話…(涙)
治療にかかった費用
ペットの病気はお金がかかりますね。。うちの場合は全6回の通院で、かかった治療費は締めて約32,000円(税込)でした。
- 初回の皮膚検査…数百円
- 毎回の診察料と注射代…約3,000円×6回分
- 内服薬…約10,000円(主に併発していた真菌のお薬)
途中、私に出た皮膚症状から真菌症(猫カビ?)もあるようだったので内服薬での治療も一緒に行いました。(その辺獣医さんに何と説明されたかちょっと詳細な記憶が曖昧)
他の動物病院にかかったことは無いのですが、感覚的には、私がかかりつけにしている所は診療方針も含めてかなり料金設定の親切な獣医さんなのかなと思っています。
感染する皮膚病。治療中のギモン
猫疥癬の治療中、私が思った疑問点は主に2つありました。
人にうつる?うつったらどうなる?
結論、痒みや発疹などの皮膚症状が人に出ることがあります。
…が、一時的なもの。
猫疥癬の原因となるネコショウセンコウダニは、ヒトの皮膚に一時的に寄生できても、そこで繁殖することはできないからです。
そのため、人にうつったダニは数週間のライフサイクルで死滅していき、ダニがいなくなれば人間の症状は自然治癒するというわけです。
またヒトへの感染力については、今回の私個人の経験からは、さほど強いものではないのかなと感じました。私は猫との過度な接触は避けつつも、特に隔離したりもせず普通に暮らしていて感染しなかったからです。
ただし免疫の弱い方、お年寄りや小さい子供は注意が必要だと思います。
家の清掃はどのくらいしたらいいのか?
猫への再感染を防ぐためにも、室内の清掃をしてダニを一掃することが大切。
とはいえ、どのくらいのレベルで掃除したらいいのか…少々面倒くさがりな私には悩ましい問題でした。
調べた中には、もう家の全てを掃除洗濯し殺菌消毒し壁床家具を拭き上げる、みたいな徹底した飼い主さんもおられました…しかし、よっぽどでない限り私にそんな大仕事は無理です。。
というわけで実際に我が家で行った清掃は、こんな感じ。
- 猫が使う毛布やクッション等の布類…洗濯&熱湯消毒※大事
- 猫ベッド(ドーム型)…ダニシュッシュ&天日干し
- ケージなど猫の身の回り品…殺菌消毒効果のあるシートで拭き上げ
- 部屋…普段通り清掃+ダニシュッシュ
これを、日にちをおいて2~3回やりました。特別なことはこのくらいで、あとはいつも通りの掃除をしていました。
「ダニシュッシュ」と普通に言ってますが、これはペットや子供に害がない製品、ということで具体的にはこれを使ってました。
最終的にこれで、その後再発もなく、問題ありませんでした。
猫疥癬の原因となるヒゼンダニは、部屋に寄生して繁殖することはないので、生きている数週間のうちに猫に再度寄生するのを防ぐことができれば良いわけです。
さいごに
保護猫の子猫をもらい受け、翌週から毎週の病院通いという修行が始まったわけですが、猫疥癬(とおまけの真菌症)が治ってすっかり毛並みの整った子猫を見たら、とっても綺麗な可愛い子でした。
以上です。この記事がもし参考になれば嬉しいです!
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